「小フーガハゲ短調」とは?“ハゲの歌”の元ネタと歌詞、Flashで広まった経緯
バッハの有名なオルガン曲に、日本語の歌詞をのせたコミックソングがあります。それが 「小フーガハゲ短調」、通称「ハゲの歌」です。
タイトルは、原曲の「小フーガ ト短調」をもじったもの。1999年にアルバムで世に出て、2000年代のFlash全盛期に「ハゲの歌」の名前で一気に広まりました。
「小フーガハゲ短調」とは?
コミックバンド「ブリーフ&トランクス」の曲で、J.S.バッハの「小フーガ ト短調(BWV578)」に日本語の歌詞をのせたものです。作詞したメンバーの伊藤多賀之さんは、中学生のころ授業中にふと作った曲だとX(当時Twitter)に投稿しています(2010年)。
1999年のアルバムの歌詞カードでは、歌詞がわざと記号で表記されていました。きちんと文字で載ったのは、2018年のベスト盤『ブリトラBESTバイブルII』からです。
曲名と通称は次のとおり。
- 正式な曲名は「小フーガハゲ短調」(読みは「しょうふーがはげたんちょう」)
- ネットでの通称は「ハゲの歌」
- 歌詞サイトには「はげの歌(正式題名「小フーガ ハゲ短調」)」の名前でも載っている
曲の中身は、頭髪が薄いことをネタにしたコミックソングです。バロック音楽の荘厳なオルガンの旋律と、おふざけ全開の歌詞のギャップで笑わせる作りになっています。
元ネタ・由来
原曲は「ハ短調」ではなく「ト短調」
原曲の「小フーガ ト短調」は、バッハのオルガン曲です。タイトルの「ト短調」の部分が「ハゲ短調」に置き換えられています。
「ハゲ」に近い響きの「ハ短調」と取り違えやすいのですが、原曲は「ハ短調」ではなく「ト短調」です。なぜ「ト」を「ハゲ」にしたのかを説明した本人のコメントは、確認できませんでした。
ブリーフ&トランクスと、この曲の歩み
ブリーフ&トランクスは、1993年に伊藤多賀之さんと細根誠さん(高校の同級生)が結成したバンドです。経歴はこうなっています。
- 1995年: 伊藤さんがこの曲と「お尻にフォーク」のデモをレコード会社10社に送る
- 1998年5月21日: 「さなだ虫」でメジャーデビュー
- 1999年9月1日: 3rdアルバム『ボクらのエキス』に収録
- 2000年12月31日: 伊藤さんの病気で解散
- 2012年: 再結成
- 2018年3月21日: 『ブリトラBESTバイブルII〜ひとりでこっそり聴いた方がいい曲集〜』に20周年バージョンを収録
- 2022年6月: 細根さんが卒業し、伊藤さんのソロユニットに
- 2024年8月: 1998〜2000年の全86曲を「26周年スペシャルリマスター」として配信
結成から2年後の1995年の時点で、この曲はもうデモに入っていたことになります。
Flashで「ハゲの歌」として広まった
広がった舞台はFlash全盛期です。ニコニコ大百科によると、「ハゲの歌」という名前でアップロードされたFlashが人気になったことで、曲が知られるようになりました。
つまり広めたのは正式な曲名ではなく、「ハゲの歌」という通称のほうでした。モスカウや恋のマイアヒと同じく、Flashで回覧されて広まった曲のひとつです。
なお、誰がいつ上げたFlashが最初なのかを示す確かな記録は、見つかっていません。「あの動画が最初」と断定している情報も、裏が取れないので書きません。
公式音源は今も聴ける
現在は公式音源が配信されていて、YouTubeでも聴けます。Remastered 2024版は523,911回再生、20周年バージョンは224,641回再生です(どちらも2026年10月14日時点)。
歌詞はどこで読める?
「小フーガハゲ短調 歌詞」で探す人が多いのですが、先に書いたとおり1999年盤の歌詞カードは記号で伏せられていて、カラオケのJOYSOUNDでも歌詞は記号で表示されます。文字で読みたいときは、2018年のベスト盤の歌詞カードか歌詞サイトを見ることになります。
たとえば歌詞サイトのUtaTenには、「はげの歌(正式題名「小フーガ ハゲ短調」)」のページがあります。歌詞の全文は著作権があるので、ここには載せません。耳で聴いて確かめたい人は、上の公式音源がいちばん確実です。
使い方・例文
例文はこんな感じです。
- 「バッハの小フーガ、聴くたびに頭の中で“ハゲの歌”に変換される」
- 「ハゲの歌って正式名称あったんだ」
- 「ハゲの歌、サビじゃなくて全部覚えてる」
関連する言葉
Flashで回覧されて広まった洋楽は、モスカウや恋のマイアヒも同じ流れです。
名前に「ハゲ」が付く語では、2ちゃんねる由来の略語禿同や、漫画『ラーメン発見伝』のキャラの愛称ラーメンハゲもありますが、どちらも別のものです。この曲と直接のつながりはありません。