← ミーム辞典トップへ ネットミーム

「スネ夫が自慢話をするときに流れている曲」とは?曲名の元ネタは2008年の転載動画

スネ夫が自慢話をするときに流れている曲(すねおがじまんばなしをするときにながれているきょく) ・ 2026年9月24日 公開

スネ夫が自慢を始めると流れる、あの軽快な曲。誰でも耳で覚えているのに、正式な曲名は分かっていない。いま通っている「スネ夫が自慢話をするときに流れている曲」という名前は、転載動画のタイトルがそのまま定着したものです。

「スネ夫が自慢話をするときに流れている曲」とは?

大山のぶ代さんがドラえもんを演じていた時代(1979〜2005年)のアニメ『ドラえもん』で使われた劇中BGMの俗称です。作曲は菊池俊輔さん。

名前に反して、スネ夫専用のテーマ曲ではありません。日常のいろいろな場面で流れていた曲で、スネ夫の自慢シーンはその中でも印象に残りやすい使われ方だった、というくらいの話です。

では本当の曲名は何か。ここが行き止まりになっています。サントラCDでは3トラック目の『ドラえも~ん!』に入っていますが、このトラックは短いBGMを数曲まとめたものです。

この曲単体の正式な曲名やMナンバーは、ニコニコ大百科でも特定されていません。

元ネタ・由来

曲名が無いと、人は説明文で検索するしかありません。この曲の場合、その説明文を最初に書いたのが転載した人でした。

  • 2008年8月26日 ニコニコ動画に『ドラえもん ~スネ夫のテーマ~』として無断転載(のちに削除)
  • 2008年12月3日 YouTubeに『スネ夫が自慢話をするときに流れている曲(フル)』が上がる。これが呼び名の発祥
  • 2009年8月28日 そのYouTube動画がタイトルごとニコニコへ再転載され、ランキング上位から一気に広まる

YouTube版の投稿者コメントは「スネ夫がみんなの前で自慢話をしているときに必ずといっていいほど流れていた曲です」。つまり曲名ではなく、曲の説明です。

それでも「ドラえもん BGM」で探すより、この一文で探したほうが確実に見つかった。そのせいで説明文が曲名の代わりに使われ続け、いまでは「(フル)」まで含めて検索されています。

元のYouTube動画は、Wayback Machineに残る2020年11月の記録で約458万回再生。現在は非公開になっていて、もう見られません。

このとき動画に添えられたのが、ドラえもんたちがシンガポールでタケコプターを付けて飛んでいる謎の画像です。出どころは今もはっきりしていません。背景がマーライオンだという話と、現地で「聖地巡礼」した人の写真は「スネ夫が自慢話をするときに流れている曲」の謎画像、背景の正体はマーライオンにまとめています。

演奏会の曲名があとから寄ってきた

面白いのは、ネットの呼び名が生演奏の場にまで逆流したことです。

2017年の「菊池俊輔音楽祭」では、この曲が『スネ夫の自慢話テーマ』『スネ夫のテーマ』という便宜上の曲名で演奏されました。転載者の説明文が先にあって、演奏会の表記がそれに寄っていった順番です。

音MADの定番素材になった

軽快なループで区切りやすく、誰でも聞けば分かる。音MADの素材として向いていたのは当然で、2009年の拡散以降ずっと使われてきました。

呼び名そのものもテンプレになっています。『スネ夫がEDMフェスで踊っているときに流れている曲(フル)』『スネ夫が柴又話をするときに流れている曲』のように、「スネ夫が〇〇するときに流れている曲」という題名の派生動画がいくつも作られました。

わたぴーの「自慢話」一筋

この曲を語るうえで外せないのが、音MAD作者のわたぴーです。2018年からニコニコで活動していて、使う素材はほぼこの曲だけ、という徹底ぶりで知られています。

みずれ氏によるインタビュー(2023年)によると、ドラえもんたち5人を切り抜いたら左下が空いてバランスが悪く、元画像でキャラと重なっていないマーライオンも同列に置いてみたのが始まりだったそうです。コメントで「マーライオンもいるんかい」と食いつかれ、以降、マーライオンは作品の中でどんどん存在感を増していきます。

下は、完成しなかったアイデアを集めた「没集」。1本で何曲ぶんもこの曲に差し替えているので、どういう遊び方をされている素材なのかがよく分かります。

主な作品は「Death by Jimanbanashi」(2021年)、「スーネル・ジマンゲイザー」(2022年)、2022年12月のイベント「nerdtronics2」で披露した「otoMAD-mix.‘sNEO」など。この曲だけで27人が参加した合作まで組まれています。

2022年の「NEW!自慢流曲21’s」は、それまでの自作をつないだメドレーです。構成は曲名とBPMをスプレッドシートに並べて考えたそうです。

タイトルの「21」は21曲の意味。ところが同じ曲が2回出てくるので実は20曲だった、という裏話もインタビューで明かしています。本人は2023年2月の時点で「一区切りついちゃった」と語っていました。

制作の裏話は本人のnoteにも書かれています。

使い方・例文

曲そのものを指すときは、この長い名前をフルで言うのがお約束です。略すと逆に通じにくくなります。

  • 「スネ夫が自慢話をするときに流れている曲(フル)って、それで正式名称だと思ってた」
  • 「店のBGMがスネ夫が自慢話をするときに流れている曲っぽくて集中できない」
  • 「わたぴーの動画見てから、この曲流れるとマーライオンが浮かぶ」
  • 「曲名聞かれて『スネ夫が自慢話をするときに…』まで言ったら全員分かった」

関連する言葉

素材として使われた作品群は音MADや、より広い意味のMADの文脈にあります。謎画像の場所に実際に行く遊びは聖地巡礼の変わり種です。ゲームやアニメの既存曲を素材に遊ぶニコニコの文化としては、組曲『ニコニコ動画』が同じ系譜の大先輩です。

広告