「ちいかわ」の「郎」で店員が聞き間違え、ニンニク「ナシ」が「マシ」になっていた
二郎系のラーメン屋でコールを噛むのは客のほう、というのが相場だと思っていた。ちいかわ公式が16日の未明に出した1枚漫画は、その逆をやる。緊張していたのはカウンターの内側で、ニンニク「ナシ」で頼んだ客の前に、黄色い粒が山盛りの丼が置かれる。
客が頼んだのは「ナシ」、出てきたのはニンニク入り
投稿は9月16日0時16分、作者ナガノさんの公式アカウント「ちいかわ💫アニメ火金」(@ngnchiikawa)から。本文は「🍜」の一文字だけで、あとは漫画が並んでいます。16日の夕方にはいいねが41万を超え、返信も920件を超えました。
最初のコマでラーメンを差し出しているのは、白い衛生帽をかぶった店員です。赤いカウンターの内側から両手で丼を押し出して「どうぞ〜ッ」。丼の中身は麺ともやしと豚で、手前に黄色い粒がこんもり乗っています。ニンニクです。
次のコマで客のほうが「エト…」と口ごもり、帽子の店員が「エッ」と固まります。そこへ飛んでくるのが「ニンニク「マシ」じゃなくて「ナシ」!?」。頼んだのは「ナシ」で、出てきたのが「マシ」だったという抗議です。吹き出しは客席側から出ていて、コマの隅には灰色のちいかわ族の頭が描かれています。帽子の店員は汗をかいた顔で「ごめんなさいッ」と返しました。
つまり間違えたのは客ではなく、コールを受けた側でした。
店主の前で「コールを…聞きまちがえちゃいました…」
大きなコマは場面が変わって、椅子に腰かけた黄色い鎧のキャラクターと、白い帽子を手に持ったまま小さな丸椅子でうなだれる店員が向かい合います。反省会です。店員の口から出るのが「コールを…聞きまちがえちゃいました…」。隣のコマでは、黄色い看板に「郎」と書かれた店の前に、客のちいかわ族2人が出てきています。
鎧のキャラクターは怒らず、「そういう事もあるある.」で流してくれました。店員がほっとした顔になった次のコマで、今度は「アリャッ クマ!!」と指摘が入ります。よく見ると目の下にうっすら茶色い影が出ていて、寝不足のクマです。理由の自己申告は「最近遅くまで…お酒の勉強しちゃってて…」で、そのまま「終」。反省会は原因の手前で打ち切られました。
「郎」は原作の店で、店主の鎧さんはアニメ第42話から出ている
「郎」は原作漫画に出てくるラーメン屋で、アニメにも登場しています。電撃オンラインの発表記事(2023年1月19日付)は、1月20日放送の第42話「ニンニクカラメ!」で「ラーメン屋「郎」の店主を務めるラーメンの鎧さん(CV: 松岡禎丞)が初登場する」と告知していました。店そのものは前から出ていて、第42話で初登場したのは店主のほうです。今回の漫画で椅子に座っている黄色い鎧も、この鎧さんとみられます。返信欄では帽子の店員が「シーサーちゃん」と呼ばれていますが、公式は今回の投稿で名前を書いていません。
アニメ版は手順の再現が細かい、という声もあります。9月3日に @LikeitLikeit_ さんが投稿したのは「郎の描写がやけにリアルで面白かった。」というもので、「看板の配色、入念に履修する所、事前に黒烏龍茶を買っているところ、食券を買った後の店内並び」や「コールのタイミング、完食後のセルフ台拭き」まで挙げていました。予習から食べ終わりに台を拭くところまで追う作りなので、読者の側には「コールの場面」の下地があります。今回の行き違いがすぐ通じたのは、そのおかげでもあります。
現実の「郎」でも注文のときに4つ聞かれる
作中の「郎」は、池袋PARCO本館8Fの「ちいかわラーメン 豚」として現実にも営業しています。PARCO CAFEのメニューページには「【ラーメン 豚 カスタマイズオーダー】」という項目があり、店で聞かれる内容がそのまま書かれています。
アニメ第42話のタイトル「ニンニクカラメ!」は、この1つ目と4つ目をつなげたコールそのものです。二郎系の店でおなじみの言い方で、増やしたいときは「マシ」、さらに増やすならマシマシと言います。漫画で行き違いが起きたのは、この1つ目のやりとりということになります。ちなみにPARCOの表記には「※スープにニンニクは入っております」とも書かれていて、「ナシ」で頼んだ人もスープの側では出会うことになります。
実店舗で通じるのは味だけではありません。池袋の「ちいかわラーメン 豚」で「大」を頼んだ人の写真では、麺300gの上にもやしがそびえていました。作中の食べ物が現実に出てくる流れは、映画公開時のセブン-イレブンとのコラボでも同じです。
店員をかばう声と、「正しい言い方」をめぐる議論
返信欄がざわついたのは、漫画のオチよりも「じゃあ正しくはどう言うのか」のほうでした。
@papa_poyonpoyon さんは「『なし』というコールをする客が悪い。」と書き、「ニンニクいらない時は『抜き』一択。」と続けています。「どんなちいかわ族かしらないが、郎に来るには勉強不足。」と客の側に矛先を向けたうえで、最後は「シーサーちゃんは、何も悪くない。」で締めていました。聞き間違えた店員をかばう着地です。
別の見方もあります。返信欄の外から「ちいかわの郎のニンニクの引用見た。」と書き出した @naga_LTW さんは、「ナシはマシと聞き間違えるから抜きでって言ってる人が多くて驚く。」としたうえで、「正解はコールの時『ニンニクと言わない』だ。」と書いています。入れたくないなら黙っていれば入らない、という理屈です。「抜き」と言うべきか、何も言わないのが正解か、どちらにも支持する人がいました。
店ごとのローカルルールもあるので、正解はここでは決めません。ただ、「ナシ」と「マシ」が1文字違いなのは事実で、湯気と換気扇の音の中でそれを聞き分ける側もそれなりに大変です。次に「郎」の話を読むときは、カウンターの内側にも目をやってみてほしい。