「またあしタンバリン」とは?元ネタはCOWCOW善しの「吹奏楽部の挨拶」、バイバイバイオリンの意味も解説
帰り際に「バイバイバイオリン♪ またあしタンバリン♪」と言って手を振る。2026年の夏、教室でも部活でも、やたらこれを聞くようになりました。文字にすると何がなんだか分かりませんが、声に出すと一瞬で腑に落ちるタイプの言葉です。「また明日」に「タンバリン」、「バイバイ」に「バイオリン」を重ねただけ。それだけで、なぜか語感が気持ちいい。
「またあしタンバリン」とは?
別れ際の挨拶に楽器の名前をかぶせる言葉遊びです。「またあした」の最後の「た」から、そのまま「タンバリン」へ滑り込む。単体で使うより、「バイバイバイオリン♪」→「またあしタンバリン♪」の2語セットでリズムに乗せて言うのが基本の型になっています。
表記はかなり揺れていて、「またあしたんばりん」「また足タンバリン」と書かれることもあります。相方の「バイバイバイオリン」のほうは、音が滑らかすぎて「バイバイおりん」と聞こえてしまう人もいます。検索窓に「バイバイバイおりん」と打ち込んだ人が一定数いるあたり、空耳としても成立してしまっているのがおもしろいところです。
意味そのものは深くありません。深くないのに、言った本人も言われたほうも一拍置いて笑ってしまう。ダジャレの威力が発揮された瞬間の空気は、鍋の前で「豆乳を、投入……」と言った瞬間に鍋が本当に吹き出したあの投稿にも通じるものがあります。
元ネタ・由来(COWCOW善しの「吹奏楽部の挨拶」)
元ネタは、お笑いコンビ・COWCOWの善しさんによるリズムネタです。COWCOWの公式TikTokには「◯◯部の挨拶」というシリーズが並んでいて、その一本が「吹奏楽部の挨拶」。吹奏楽部だから楽器名で挨拶する、という一点突破のネタです。
この動画に付いている楽曲名がそのまま「またあしタンバリン - COWCOW善し」で、投稿のタグも「#帰る時 #また明日 #バイバイ」。つまり今TikTokで流れている音源は、本人が2020年ごろに上げたこの動画そのものです。同じシリーズには女子バレーボール部バージョンなどもあり、こちらは2018年ごろから上がっていたとされます。
ネタの中では、2つの核フレーズのあとに音楽家や記号の名前を使ったダジャレが続きます。「今日はありがト音記号」「あっかんベートーベン」といった具合で、後半はほぼ音の勢いで押し切る構成とされます。ただし公式に歌詞として公開されたものは見当たらず、ネット上に出回っている全文は個人の書き起こしがほとんどです。細部の表記は人によってバラつきがあると思っておいたほうがよさそうです。
そもそも「またあした」と「タンバリン」をかける発想自体は、COWCOW以前から誰かが口にしていた可能性もあります。そこは確かめようがないので、COWCOWは「型として広めた側」と考えるのが正確なところです。同じCOWCOWのリズムネタとしてはあたりまえ体操が有名で、当たり前のことを堂々と歌うあの構造と、挨拶に楽器名をねじ込むこの構造は、けっこう血がつながっています。
2026年に再燃した理由
投稿されたのは2020年ごろなのに、火がついたのは2026年の7月から8月にかけてでした。理由はいくつか重なっています。
まず、2語だけで完結して振り付けも要らないこと。踊る必要がないので、教室の帰り際でも部活の解散時でも、保育の現場でもそのまま挨拶に転用できます。ハードルがほぼゼロです。
次に、聞き取れなさ。「バイバイおりん」と聞こえた人が意味を確かめようとして検索する。この「え、今なんて言った?」がそのまま拡散のエンジンになりました。
そして決定打が、アーティスト側が乗ったことです。The First Times が2026年8月19日付の記事で「今バズっている20曲」として取り上げており、そこではLE SSERAFIM、NiziU、FANTASTICSといった面々がネタを真似していると紹介されています(The First Times)。ジュニアの公式Xも2026年8月9日に、本髙克樹さんと稲葉通陽さんの動画を「またあしタンバリン💫 バイヴァイオリン🎼」と添えて投稿し、6,077いいねを集めました。
芸人のリズムネタが、アイドルやアーティストの踊ってみた的な短尺動画に取り込まれて界隈の外へ抜けていく。最近のバズの典型的な広がり方です。2026年8月5日にはYahoo!知恵袋に「軽音楽部バージョンを作ってほしい」という質問まで投稿されていて、ネタを知らない人が派生を求めるところまで浸透していました。
使い方・例文
- 「じゃ、バイバイバイオリン♪」「またあしタンバリン♪」(帰り際の定型)
- 「うちのクラス、全員またあしタンバリンで帰る」
- 「バイバイおりんだと思ってた」(聞き間違い勢の合言葉)
- 「またあしタンバリンの続き知らない人多すぎ」(ありがト音記号以降の話)
使いどころは基本的に別れ際だけです。テンションが高い日に唐突に言うと変な人になるので、相手が乗ってくれる関係かどうかだけ確認してから使ってください。
関連する言葉
音の重なりだけで笑わせる言葉遊びという意味では、「爪についてるぜ〜♪」の脱力ダジャレ投稿のような、意味よりも語感で押し切る系のネタと同じ土俵にあります。
同じ作り手をたどるならあたりまえ体操、リズムネタというジャンルで見るならあるある探検隊。芸人発のフレーズがネットで一人歩きしていく現象そのものはミームの分かりやすい実例で、聞き間違いから広がった側面は空耳とも重なります。