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「とはよく言ったもので」とは?ミームの元ネタはアニメ『あかね噺』、落語のマクラ風大喜利を解説

とはよく言ったもので(とはよくいったもので)(とはよくいったもので) ・ 2026年9月3日 公開

「えー『カスのインターネット カスタネット』とはよく言ったもので」。2026年6月のXは、この出だしの投稿でいっぱいになりました。着物姿の女の子が高座に座っている画像に、しょうもないダジャレが一行。これが 「とはよく言ったもので」、「あかね噺ミーム」と呼ばれた大喜利ミームです。はてな匿名ダイアリーでは「あかね噺のクソ枕ミーム」と題した書き込みも上がりました。

「とはよく言ったもので」とは?

落語の「マクラ」をまねた大喜利のこと。噺家が本題に入る前に世間話をふる、あの前置きの形式を借りて、えー「◯◯」とはよく言ったもので と自作のダジャレを厳かに切り出します。

「とはよく言ったもので」自体はミームより前から普通に使われている言い回しで、本来は昔から言われてきた言葉や格言を「うまいこと言うよね」と受けるためのものです。ミームではそこがひっくり返っていて、誰も言っていない、その場で考えた駄洒落を、さも代々伝わる名言のように紹介する。中身がしょうもないほど落差が効くので、しょうもなさが評価される競技になっています。

型はかなりきっちりしていて、外すと途端に「っぽく」なくなります。

  • 頭に「えー」を付ける(高座の第一声のテンポ)
  • 中身は同音・言い換えのダジャレを一発だけ
  • 「とはよく言ったもので」で止めて、そのあとの本編は語らない

投稿には、あかねが高座に上がっている画像を必ず添えます。文字だけだとただの駄洒落ですが、この画像が付くと「厳かに話し始めた人」の絵になるので、一行で笑いが成立する。画像がボケの土台を丸ごと担っている構造です。

元ネタ・由来(アニメ『あかね噺』のあかね噺ミーム)

元ネタは、2026年4月から6月にテレビ朝日系で放送されたTVアニメ『あかね噺』。主人公の阿良川あかねがピンクの着物姿で高座に上がり、話し始める場面のカットです。この画像が「あかね噺ミーム」としてテンプレ化し、そこにマクラ風の一言を乗せる遊びが広がりました。ちなみに、どの話のどのカットが最初にテンプレになったのかを特定できる確定的な記録は見当たりません。作中の決め台詞として有名になったわけではなく、落語の枕の定型句と1枚のカットが結び付いて型になったパターンです。実際、伸びた投稿はどれも金屏風を背にしたまったく同じ1枚を使っていて、画像を探す手間すら発生しません。

火が付いたのは2026年6月の中旬。時系列で追うと、こんな伸び方をしています。

  • 6月14日 「えー『バナナのナス、バナナス』とはよく言ったもので」(@nenene_musume)に約2万4千いいね
  • 6月15日 「えー『カスのインターネット カスタネット』とはよく言ったもので」(@kudsin_1414)に約4万6千いいね
  • 6月17日 「えー、『きゅうりを喉に詰まらせ搬送されてきたおばあさん、急患婆』とはよく言ったもので〜」(@erobee_z)が約20万いいね

数日で桁がひとつ増えているのがわかります。フォーマットが完全に固定されていて、必要なのは画像1枚とダジャレ1行だけ。参加コストがほぼゼロなので、見た人がその場で作れてしまう。はてな匿名ダイアリーに「あかね噺のクソ枕ミーム」と題した書き込みが上がったのが6月17日で、最初の大きな一発から3日で呼び名まで付いたことになります。

実物はこれです。4万6千いいねが付いた @kudsin_1414 の投稿で、文字は一行、あとは画像だけ。

そして第1期の最終回が放送された6月20日、公式アカウントが第2期の制作決定を発表します。放送は2027年1月から。

落語をまじめに描いた作品が、いちばんふざけた形式で拡散されて、そのまま2期の告知に接続する。ミームで知って原作を読んだという声も出ていて、作品にとっては悪くない転がり方でした。ただ、制作決定とミームの因果は公式には語られていません。2期の制作は当然もっと前から動いていたはずなので、そこは分けて読むところです。

使い方・例文

作り方はシンプルで、ダジャレさえ思いつけば残りは型に流し込むだけです。

大きく伸びたのは上に挙げた3つ(カスタネット、バナナス、急患婆)で、どれも言葉をふたつくっつけただけです。試しに型へ流し込むと、こうなります。

  • 「えー『ラーメンのメンマ、ラーメンマ』とはよく言ったもので」
  • 「えー『パソコンのコンセント、パソコンセント』とはよく言ったもので」

コツは、ダジャレの出来をあまり気にしないことです。うまいと感心されるものより、雑なのに大真面目な口調で言い切っているもののほうが伸びています。逆に、説明が長くなって二行三行と続けると、マクラの軽さが消えて途端にすべります。

ミームを離れた素の意味で使うこともできて、その場合は「『急がば回れ』とはよく言ったもので、結局こっちのほうが早かった」のように、実在することわざを引いて自分の体験に接続します。同じ言葉でも、頭に「えー」が付いているかどうかで意味がほぼ別物になる、というのが今の状態です。

言葉遊びがXで伸びるのは、このミームに限った話ではありません。左右の靴下が偶然「馬」と「鹿」になっていた話や、七夕の笹から短冊が落ちたのを「単位が落ちてました」と告知した京都芸術大学の投稿五十音の順番のまま歌詞として意味が通るころんの新曲頭文字を拾うと別の文が出てくるちいかわの「島のうた」。オチが一行で伝わるものは、それだけで強いということなんだと思います。

関連する言葉

お題に対して面白い答えをぶつけ合う遊びという点では大喜利そのもので、そもそも大喜利は落語の寄席から生まれた形式です。落語の型で落語由来の遊びをやっている、という一周した構造になっています。

作中に無いセリフが画像と結び付いて独り歩きした点は、フリーレン構文とよく似ています。キャラクターの口調や場面を借りて自分の言いたいことを乗せる型としては、タゴサク構文や、読み違いを利用したうに構文も同じ棚に並びます。こうした「〇〇構文」がひとつのミームのフォーマットとして定着していて、新しいアニメや映画が当たるたびに、その作品の顔で新しい型が生まれています。

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