ちいかわのご当地キーホルダー、市川市限定は「ちいかわのなし」と行徳みこしの2種
旅行先の土産コーナーに、キーホルダーがびっしり下がった回転ラックが置いてある。あの棚にちいかわが並ぶようになった。株式会社APIが出しているご当地 ちいかわのシリーズで、その土地の名物を持ったちいかわ・ハチワレ・うさぎが地域ごとに作られている。沖縄なら紅芋タルト、新潟ならトキ、といった具合だ。
その中に、千葉県市川市だけの2種類がある。ひとつが梨、もうひとつが行徳みこし。発売は2025年11月12日からで、告知は「ご当地ちいかわグッズ 公式」の投稿だった。
梨のチャームに縦書きで「ちいかわのなし」と入っている
公式が出した商品画像を拡大して読んでみた。梨のキーホルダーは3種で、ちいかわ・ハチワレ・うさぎがそれぞれ半分に切った梨の器に収まっている。上半分はかぶりもの扱いで、頭に載せたままかじっていて、効果音は「シャク…」。背景も梨色の黄緑だ。
そのチャームの左端に、縦書きで小さく「ちいかわのなし」と書かれている。台紙のほうは駅名標のデザインで、白い枠の中に「CHIIKAWA ★市川市★ ICHIKAWASHI」。右上に手書き風の「ちいかわ」、下に「「梨」」。裏返すと金色の型押しで「CHIIKAWA ICHIKAWA ©nagano」が入っている。
ここで市の側の話をすると、市川市の梨には地域ブランドがある。市川市の公式サイトには「平成19年8月3日に「市川の梨」「市川のなし」は、特許庁より地域団体商標登録の認証を受けました」と書かれていて、漢字の「市川の梨」だけでなく、ひらがなの「市川のなし」も登録されている。
つまり商品に入っている「ちいかわのなし」は、市が持っているブランド名と並べると1文字違いになる。それが狙いだったのかどうかを公式は説明していないので、断定はできない。ただ、ひらがなで書き出すと確かに近い。
市川の梨の始まりは、寺子屋の先生が大垣から持ち帰った枝
なぜ市川で梨なのかは、市の説明を読むとはっきりしている。同じページに「市川市における梨栽培の歴史は大変古く、江戸時代から行われています」とあり、伝えたのは寺子屋の師匠だった川上善六という人物。「美濃国大垣(現在の岐阜県大垣市)から梨の枝を持ち帰り、葛飾八幡宮の境内で試験栽培をはじめました」と書かれている。
土産物のモチーフになるくらいだから最近の産業かと思いきや、出発点は江戸時代の寺子屋の先生だった。ちなみに市川はもともと栽培地が八幡・市川・中山のあたりで、街が広がるにつれて北側へ移っていったらしい。
もう1種の「行徳みこし」は、2024年に市の無形民俗文化財になった題材
行徳みこしのほうも中身は3種。3キャラとも白い法被にはちまき姿で、後ろに金の鳳凰を載せた神輿が立っている。ちいかわとハチワレは「行徳」と書かれた提灯を持ち、うさぎだけ「行徳みこし」ののぼり旗を立てている。神輿の正面に下がる札は「市川」、キャラの足元に置かれた札には縦書きで「いちかわ」。台紙の下端は巴紋に挟まれて「「行徳みこし」」だ。
梨と違って、こちらは全国区の知名度とは言いにくい題材だと思う。ただ市川市は令和6年11月3日付で「行徳の神輿文化と祭礼」を市指定無形民俗文化財に指定していて、市の説明では「行徳地域は、今日に至るまで神輿製造に関わる人々が居住し、全国有数の神輿づくりのまちとして知られる」。担ぎ方にも「地すり」「さし」「放り受け」という地域独特の手法があると書かれている。
指定が2024年11月3日で、キーホルダーの発売が2025年11月12日。ちょうど1年を過ぎたあたりで、市の文化財が土産物の絵柄になったことになる。
いいねの数は、梨が4,262、行徳みこしが2,727(9月14日時点)。市川の外から見ると梨のほうが分かりやすいぶん差がついた、という読み方はできる。
シリーズは今も増えていて、9月14日には温泉地限定のタオル
ご当地ちいかわは追加が続いている。9月14日の午前に告知されたのが「温泉地限定 温泉 おでかけハンドタオル」で、こちらもちいかわ・ハチワレ・うさぎの3種。
柄はグレー地にピンクと青で、ちいかわの顔のシルエット、湯桶、温泉マーク、瓶が並ぶ総柄。縁のライン部分に「CHIIKAWA ♨ ONSEN」が織り込まれていて、右下に湯上がりのタオルを頭に載せた3キャラが1匹ずつ入っている。キーホルダーだけのシリーズではないわけだ。
過去のラインナップを並べると、沖縄限定の紅芋タルト、埼玉限定の深谷ねぎ(こちらはソックス)、新潟限定のトキ。都道府県でくくられたものが目立つなかに、市や地域の名前で作られたものも混じっていて、市川市限定はそのひとつになる。取扱店舗の案内ページも関東・関西・九州沖縄などと地方別に分かれている。
市川で探すなら、駅の売店と道の駅
市内で買える場所として地元メディアが挙げているのは、NewDays市川1号、NewDays本八幡、ファミリーマート京成八幡駅前店、ファミリーマート市川妙典駅店、道の駅いちかわメルカート。観光地の土産物店ではなく、通勤で毎日通る駅の売店に置かれているのが市川らしいところだと思う。総武線で本八幡や市川に降りる機会がある人は、改札を出る前にNewDaysをのぞいてみると早い。
ちいかわのご当地系だと、JR東海の「ツツウラウラ旅」で配っている乗車特典のミニトートバッグや、浅草の店で作れる推し色の着物、大阪ルクアの常設ショップあたりも動いている。旅行のついでに回収したい人は、行き先の限定品を先に調べておくといい。