仮面ライダーマイスの黒猫「リド」の正体は家庭教師・麻尾達臣
9月13日に放送された『仮面ライダーマイス』の第2話「モダンウサギと走るカメ」で、お嬢様・瑞生優菜の専属家庭教師である麻尾達臣がいよいよ動き出した。達臣の正体そのものは1週間前の第1話のオチで割れていて、東映公式サイトの第2話ページの制作秘話に、達臣の肩書きとして「十二支同盟構成員 麻尾達臣」とはっきり書かれている。同じページで「仮面ライダーリドの正体は達臣!!」も初解禁された。そして13日に更新された第3話のページによると、9月20日の第3話で達臣はその黒猫の仮面ライダー「リド」に変身する。
優菜の家庭教師・麻尾達臣は十二支同盟の潜入スパイだった
達臣を演じるのは安宅波颯。キャストが解禁されたのは8月4日で、東映公式Xの紹介文は「瑞生優菜の専属家庭教師、麻尾達臣(あさお・たつおみ)を演じるのは #安宅波颯 さん❗️」だけだった。肩書きは家庭教師、それ以上は何も書かれていない。この投稿は9月13日時点で5,498いいねまで伸びているが、この時点では敵組織の一員だと分からない作りになっていた。
伏せていたのは狙ってのことだ。プロデューサーの湊陽祐は第2話ページの制作秘話で、「制作発表当日の安宅くんには戒厳令を敷かせていただき、」と前置きしたうえで、安宅に「君は十二支同盟ではない、ただの巻き込まれた家庭教師だよ、絶対に。いいね?」と念を押していたと明かしている。チーフプロデューサーの武部直美も「達臣が潜入しているという流れを、物語として見ていただけるように事前に伏せていました。」と書いていて、第1話のオチで札をめくる段取りが最初から組まれていたことになる。
第2話は脚本が荒川稔久、監督が中澤祥次郎。公式のあらすじは「彼が音澄宙を探りに来た十二支同盟のスパイだとも知らず───」と書いていて、視聴者はもう知っているのに優菜だけが知らない、という状態で話が進む。仮面ライダーダットが割って入る場面があり、THE RAMPAGE「One Shot」に乗せたオープニング映像も初お披露目という、情報量の多い回だった。武部プロデューサーは放送前のみどころ欄で「2話はオープニング映像もお披露目です。THE RAMPAGEさんの「One Shot」、カッコよさの中に運命の切なさも入るメロディ。」と予告していた。
第3話で達臣が黒猫ライダー「リド」になると公式が予告した
正体が割れたあとに残っていたのは、変身の手段のほうだった。湊プロデューサーは第2話ページで「ただし、いまの達臣は十二支同盟の構成員ではあっても、ベルトを持たない下級構成員。」と書き、「どうやってベルトを手にするのか、いつ変身するのか?」と引っぱっていた。その答えの入口が13日に出た形になる。
第3話のページを開くと、サブタイトルが「正義の黒猫ライダーにゃ」で、あらすじには「その頃、「仮面ライダーリド」がにゃおーんと誕生!!」の一行がある。みどころ欄で武部プロデューサーが書いているのはもっと直球で、「早くも、達臣が黒猫ライダー、リドに変身!」だ。放送は9月20日、脚本は引き続き荒川稔久、監督は田﨑竜太が担当する。
同じ欄には、リドのベルトについての説明も添えられている。「胸ベルト、腰ベルトの2wayを表すため玩具パッケージにも登場していたリドさん。」という一文で、つまり玩具のパッケージには本編より先に姿が出ていたことになる。買った人は箱の隅で黒猫を見ていたわけだ。
ベルトの位置には作品上の意味がある。ORICONが制作発表の記者会見をまとめた記事には、「胸に変身ベルトを巻くマイスと対照的に腰に変身ベルトを巻くマオウたち十二支同盟の仮面ライダー」という一文がある。胸か腰かで味方と敵を見分けられる設計だ。ちなみに主役側の仮面ライダーマイスは、ORICONいわく「主役の仮面ライダーとしては史上初、ネズミをモチーフにした仮面ライダー」にあたる。
武部プロデューサーはさらに、宙と達臣の関係をこう表現している。「宙と達臣、ネズミと猫…といえばのアニメ作品も彷彿とさせる関係です。」。ネズミ側の宙と、猫側の達臣。作品名は伏せられているが、言いたいことは伝わってくる。
十二支に猫はいない。なのに十二支同盟には猫が2匹いる
ここで気になってくるのが組織の名前のほうだ。十二支同盟は、ORICONの記事によれば「不可思議と戦うために100年の眠りから目覚めた組織」。敵の正体は「人間を襲い捕食する謎のモンスター“不可思議(ふかしぎ)”」で、そいつらと戦うために目覚めた集団が、主役のマイスとも敵対しているという構図になっている。
で、十二支に猫はいない。子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥のどこを探しても猫の枠は無い。それなのに、ORICONは「敵対する赤いネコは仮面ライダーマオウ、黒いネコは仮面ライダーリド。」と書いている。猫が1匹紛れているどころか2匹いて、しかも赤いほうのマオウに変身する嶺高華武利(演・東啓介)は、公式のキャラクター紹介で「十二支同盟の猫(ねこ)」と書かれたうえで、この組織のリーダーに置かれている。
公開されているのはここまでで、全部で何人いるかは発表されていない。スーツアクターの布陣も7月27日に東映公式Xが出していて、そこでも猫は2匹だった。「仮面ライダーマオウ役 #縄田雄哉 さん😺」に続けて「仮面ライダーリド役 #永徳 さん🐈⬛」と、絵文字まで黒猫で分けてある。マイス役は中田裕士で、こちらは🐭。この投稿は9月13日時点で14,592いいねまで伸びている。
十二支同盟を主役にしたスピンオフ配信作品もあり、そちらは『十二支十色』として予告が公開されている。組織の側をどれだけ掘る気なのかが分かる動きだ。
同じ日の朝、石森プロが「ネズミが猫を騙した」昔話を描いていた
猫が十二支に入れなかった理由として知られている民話がある。ネズミに集合日を嘘で教えられて1日遅れた、という筋のやつだ。日本各地で語り継がれていて、細かい筋の違う類話がいくつもある。
そして第2話が流れた9月13日の朝9時半、石森プロ公式Xが「番組放送を記念して #仮面ライダーマイス の世界を マンガでもお届け🧀」として全4ページのマンガを投稿した。原作は石ノ森章太郎、作画は早瀬マサト。中身がちょうどこの昔話そのものになっている(石森プロ公式サイトでも読める)。
2ページ目、布団に入った少年アキラが飼い猫のミーコに「ねぇミーコ…「えと」ってわかる?」と話しかける。幼稚園で先生から聞いてきた話を、猫に向かって語って聞かせるという入り方だ。「1月1日にやってきた動物の順に12匹までを1年の大将にしてやる」と神さまが言った、というところから始まる。3ページ目では「でも その牛の背中にはこっそりネズミが乗っていたんだ」と定番の抜け駆けが語られ、続けて猫の番が来る。「ネズミがネコに集まる日にちをウソついてだましたから」1日遅れた、という説明だ。語り終えたアキラは、隣のミーコに向かって「ネズミって大ッ嫌い!」と言い放つ。
放送日の朝に公式の関連会社がこのマンガを出す意味は分かりやすい。番組が猫と鼠の因縁を土台にしている以上、前提の昔話を知っているかどうかで見え方が変わるからだ。投稿の伸び方もそれを裏づけていて、13日夕方の時点で表示は118万回、いいねは1万7千、ブックマークは4,700件を超えた。あとで読み返そうと保存した人がこれだけいる、というのが数字に出ている。
東啓介「ネコとネズミは因縁がある。考察したくなるようなテーマ」
制作発表の記者会見で、マオウ役の東啓介は組織の設定についてこう話していた。「100年前から目覚めまして、不可思議を倒し、人々を守る。名前を見てわかるんですけど、干支が絡んでいるのも楽しみにしていただきたいポイント」。名前を見れば分かる、という言い方をしている。
猫の自分がリーダー格に置かれていることについては、ORICONの記事で「面白いと思いました。数多ある作品でネコとネズミは因縁がある。考察したくなるようなテーマになっていると思います」と答えている。演者の側からしても仕掛けが見えている、ということだ。
十二支から弾かれた猫が、十二支を名乗る組織を束ねている。そこへ、ネズミの仮面ライダーが主役として立っている。この配置をどう説明するのかが、第3話以降の見どころになりそうだ。おやっさん役が神尾佑だと発表された回や変身ベルトの音声担当の話もそうだったが、この番組は細かい所に仕込みを置いてくる。第3話「正義の黒猫ライダーにゃ」はテレビ朝日系で9月20日の放送予定。黒猫がどう出てくるか、朝に間に合うよう起きておきたい。