「くまのプーさん」100周年の広告、新宿におしり・渋谷に上半身
「くまのプーさん」の原作が出てから、10月14日でちょうど100年になる。東京では新宿におしり、渋谷に上半身のプーさんが出ている。
体が二つの街に分かれているわけだ。新宿で見た人は「顔はどこ?」となり、渋谷で見た人は「下はどうなってるの」となる。
新宿の地下道におしりだけ
最初に広まったのは新宿のほうだった。10月12日の昼、新宿の地下道で見つけた人が写真を投稿して、2万いいね近くまで伸びた。
壁には原作の挿絵風のイラストで、フクロウやティガー、イーヨー、カンガたちが描かれている。そのまんなかから、黄色いもふもふのおしりと両足だけが立体で突き出している。
広告の文字は「プーさんと一緒にしあわせをシェアしよう!」と「#DisneyStoreプーさん100周年」。顔はどこにも無い。
場所は東京メトロ丸ノ内線の新宿駅につながる地下通路「新宿駅プロムナード」。発見した人の投稿にある「優しく触れてあげてください」が、そのまま合言葉みたいになっている。
渋谷は「100」の0から上半身
渋谷はMAGNET by SHIBUYA109の入口にある。「100th」の文字の「0」の穴から、はちみつのつぼを抱えたプーさんが上半身だけ出している。
ディズニー・ショッピングの公式アカウントによると、こちらは10月13日から25日まで。実際に触って、一緒に写真を撮ってもいいことになっている。
足元の床には「やさしく触って撮影してね!」とある。触るのとポーズをとるのはOKで、寄りかかったり体重をかけたりするのはNGだ。
背景のパネルには「『くまのプーさん』原作デビュー100周年」と「Winnie the Pooh」の文字。渋谷で撫でてきた人も「優しく触る分には問題なしとの事だった」と書いていた。
「新宿でおしり叩いたら渋谷で…」
二つを両方見た人、または片方を見て片方を知った人の反応がおもしろい。
- 「新宿はおしり、渋谷ではお顔が見えてるプーさんかわいいなぁ」
- 「お顔が「渋谷」 お尻が「新宿」 プーさん胴長」
- 「新宿でおしり叩いたら渋谷で『ouch!!』と悲鳴あげてくれんかな」
新宿から渋谷までは山手線で3駅ぶん離れている。そのあいだずっとプーさんの胴が続いていると考えると、かなり長い。
なお、二つがつながっているという公式の説明は見当たらない。どちらもディズニーストアの100周年企画の広告で、つなげて楽しんでいるのは見に行った人たちのほうだ。
100周年はいつから数えた?
起点は1926年10月14日。A・A・ミルンの『Winnie-the-Pooh』が、イギリスのMethuenとアメリカのDuttonから出版された日だ。
英語版Wikipediaによると、アメリカでは出た年のうちに15万部が売れている。そこから数えて今日で100年になる。
ディズニーストアはこれに合わせて、記念プロジェクト「HAPPIER WITH YOU.」を動かしている。ナビゲーターは本田翼さん。新コレクション「100 Years of Winnie the Pooh」も10月14日に発売された。
ディズニーフラッグシップ東京でも、10月9日から地下1階が「プーさんの100エーカーの森」という特別装飾になっているとるるぶKidsが伝えている。
100周年の流れでは、しわしわ顔のピグレットがプライズになる話も出ていた。こちらは「しわしわピグレットがプライズに」で書いている。羽生結弦さんの衣装を着たぬいぐるみの書店展示は「羽生結弦のSEIMEI衣装のプーさん展示」へ。
おしりで思い出す原作の第2章
壁からおしりが出ているのを見て、原作の場面を思い出した人もいるはずだ。第2章の題は「IN WHICH POOH GOES VISITING AND GETS INTO A TIGHT PLACE」。プーがよそのお宅を訪ねて、きついところにはまる話だ。
ラビットの家でごちそうになりすぎたプーは、帰ろうとして入口の穴に詰まる。押し戻すか引っぱるかの相談の末、クリストファー・ロビンが出した答えは「痩せるまで待つ」だった。かかるのは約1週間で、そのあいだごはんは抜き。
ここからがひどい。家の中に残った後ろ足を見て、ラビットは「タオル掛けに使ってもいい?」と聞く。どうせ何もしてないんだし、という理屈だ。
原作では、外に出た頭のほうにクリストファー・ロビンが本を読み聞かせ、家の中のおしりのほうにはラビットが洗濯物を干していた。新宿の壁の向こうはラビットの家だった、と思って見るとちょっと笑える。
ただし、広告がこの場面を元にしているという公式の説明は見当たらない。あくまで「思い出させる」という話だ。原作の英文はProject Gutenbergで無料で読める。
原作の著作権はどうなってる?
100年たつと気になるのが権利の話だ。1926年刊の原作は、アメリカでは2022年1月1日にパブリックドメインに入っている。
イギリスはもう少し先で、文章の保護が切れるのが2027年1月1日、挿絵は2047年1月1日まで続く。国によって違ううえに、文章と挿絵でも切れる日が違う。ここで言っているのは、あくまで1926年に出た原作本の話だ。
新宿で見るか、渋谷で見るか。両方回って胴の長さを想像するのがいちばん楽しいと思う。渋谷は25日までなので、行くならお早めに。