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「レッツゴー!陰陽師」とは?ニコニコ最古の動画「sm9」の元ネタ・空耳を解説

レッツゴー!陰陽師(レッツゴーおんみょうじ)(れっつごーおんみょうじ) ・ 2026年8月24日 公開

ニコニコ動画のURLは sm のあとに数字が付きます。その数字がひと桁、しかも現存する中で最小の「sm9」に割り当たっているのが 「レッツゴー!陰陽師」 です。中身は格闘ゲームのPVなのに、投稿から19年たった今もコメントが止まりません。

「レッツゴー!陰陽師」とは?

PS2用ソフト『新・豪血寺一族 -煩悩解放-』のゲーム内PVとして作られた曲、およびその映像です。ローブ姿の陰陽師・矢部野彦麿と、着物のお姫様・琴姫、そして後ろで揃って踊る坊主ダンサーズが、3DCGで歌って踊ります。歌唱クレジットは「矢部野彦麿&琴姫 with 坊主ダンサーズ」で、作詞・作曲と彦麿の歌声はどれも田中敬一(でんちゅう)が担当しています。

肝心の曲がとにかく胡散くさい。祈祷の呪文みたいな掛け声と、昭和の歌謡曲みたいなメロディと、バブル期のCGみたいなダンスが同時に来るので、初見だと処理が追いつきません。それでいて妙に耳に残るので、様子を見に来ただけのつもりが5分20秒を最後まで見てしまう、というやつです。

ニコニコ動画では投稿者が運営アカウント(user_id=4「中の」)で、運営がロックしたタグに「公式」が入っています。ユーザーが付けたタグのほうには「重要ニコニコ文化財」が居座ったままです。2026年8月24日時点の数字は再生23,049,173回、コメント5,687,656件、マイリスト183,164件。ニコニコ大百科によれば、500万再生が2008年11月12日、1000万再生が2012年7月7日、2000万再生が2021年1月28日で、コメント500万件も2020年7月7日に達しています。

元ネタ・由来

ゲームの『新・豪血寺一族 -煩悩解放-』は2006年5月25日発売、開発はノイズファクトリー、販売はエキサイトです。もともと「豪血寺一族」はアトラスが出していた対戦格闘のシリーズで、そのPS2版に収録されたPVがこの曲でした。

曲そのものの初出はもう少し前です。2025年にこの曲をCD化したレーベル側の告知が「2003年、対戦格闘ゲーム『新豪血寺一族 闘婚 -Matrimelee-』内のステージ楽曲として初登場」と明記していて、フルコーラス版のPVが2006年の『煩悩解放』にあたります。ニコニコ大百科はさらに前段として、『豪血寺一族2』の「坊主でダダダ!」を原型に挙げています。シリーズの中で少しずつ育った曲が、PVで完成形になった、という流れです。

そして最大のポイントが投稿番号です。sm1からsm8は現在どこにも残っておらず、sm9が現存する最小の動画IDになっています。「ニコニコで最初に投稿された動画」と紹介されることもありますが、それを裏付ける記録はないので、あくまで「いま残っている中でいちばん古い」が正しい言い方です。ちなみに投稿日は2007年3月6日0時33分。サービス開始から間もない時期に置かれて、そのまま看板として居座り続けています。

空耳と弾幕

この動画のコメント欄は、ほぼ全編が空耳で埋まっています。有名なのが歌詞の「くよくよするな」で、これがどう聞いても 「ぷよぷよするな」 にしか聞こえません。あまりに定着したせいで、動画には「ぷよぷよ禁止令」というタグが付いています。歌詞のほうが空耳に負けている状態で、19年たっても外れる気配がありません。

ほかにも「遺影」「鈍痛」といった聞き間違いが定番で、該当箇所に来ると同じ文字がコメントで一斉に流れます。歌詞そのものを別の言葉に置き換えて楽しむのが空耳の作法で、この動画はその教科書みたいな存在になっています。

もうひとつの名物が、サビの「どーまん!せーまん!」に合わせて画面が文字で埋まる弾幕です。動画に張り付いた常連が呼吸を合わせて同じ言葉を打つので、初見で開くと歌より先に文字が視界を覆います。曲を聴きに来たはずが視界ゼロになるという体験も含めて、この動画のセットメニューです。

令和版と、その後のざわつき

2023年10月10日の深夜0時、DMM GAMESのスマホゲーム『あやかしランブル!』4周年コラボとして令和版のPVが公開されました。矢部野彦麿の声は当時と同じ田中敬一がナレーションから新録し、琴姫のパートは『あやかしランブル!』のキャラクター・ナギが担当しています。歌詞にも手が入っていて、「平成」の部分が「令和」に差し替わりました(ねとらぼ電ファミニコゲーマー)。17年越しで本人の歌声が戻ってきた形で、当時ニコニコを見ていた層が反応しました。

2024年にもう一度大きく動きます。サイバー攻撃で止まっていたニコニコの復帰に合わせて、「レッツゴー!陰陽師 古伝説コラボ」(sm43891948)が同年8月5日20時に公開されました。歌い手・実況者・ボカロPが100人以上参加したユーザー主導の企画で、YouTube版は原曲を作ったノイズファクトリーの公式チャンネルに載っています。再生は83.5万回を超えました。ニコニコが止まった時に呼び出されたのがこの曲だった、という事実が、看板としての位置をそのまま説明しています。

さらに2025年8月6日には、ディスクユニオン系のゲーム専門レーベルCASSETRONから物理メディア化されました。商品名は『レッツゴー!陰陽師 神妙不可思議なシングルCD / 胡散臭いドーナツ盤レコード』で、8cmCD(CTN58・税込2,200円)と7インチアナログ盤(CTN59・税込2,860円)の2形態、まとめ買いセットの予約も受け付けられました。姉妹曲の「レッツゴー!ぱちんこ陰陽師」が初めて商品になったのもこのタイミングです(プレスリリース)。

使い方・例文

  • 「sm9って何? って聞かれたから陰陽師を見せた」
  • 「ぷよぷよするな(空耳)」
  • 「どーまん!せーまん!」
  • 「ニコニコが復活したらとりあえずsm9を開く」

いまはミームというより合言葉に近い使われ方です。「sm9」と打つだけで通じるので、ニコニコの話題が出るたびに誰かが貼ります。

関連する言葉

ニコニコ黎明期の看板という意味では、組曲『ニコニコ動画』ニコニコ動画流星群と並ぶ位置にあります。実際、アイマス・東方・ボカロが定着する前の御三家は「レッツゴー!陰陽師」「ミュージカル・テニスの王子様」「きしめん」の3本を指していました。同じくニコニコで意味が上書きされたネタとしてはロードローラーだッも近い場所にあります。この年代のネタが今もクイズとして成立することは、ミームかるたの記事でも書いたとおりです。

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