← ミーム辞典トップへ ネットミーム

「ウボァー」とは?FF2の皇帝の断末魔の意味・元ネタと、全文・英語版・ゆめにっき「ウボァ」との違い

ウボァー(うぼぁー)(うぼぁー) ・ 2026年9月9日 公開

ファミコンのゲームから出てきた一言なのに、遊んだことがない人まで知っている単語があります。「ウボァー」です。意味はありません。カタカナ4文字の並びだけで、なぜか「盛大にやられた」ということだけが伝わってくる。

「ウボァー」とは?

ファイナルファンタジーII』の最終ボス、パラメキア皇帝が倒されるときに出す断末魔です(ニコニコ大百科)。ネット上ではFF2の文脈から完全に離れて、自分や誰かが派手にやられた場面の一言として使われます。

この語がひとり歩きした理由は、たぶん字面の座りの良さです。「ウ」で始まって「ボァ」で潰れて「ー」で伸びる。濁音と小さい「ァ」が真ん中に来るので、口に出さなくても潰れた声が想像できてしまう。悲鳴のバリエーションとしてはかなり特殊な形で、他のゲームで同じ音を聞いた記憶がある人はまずいないはずです。

ラスボスの最期という重い場面のはずなのに、出てきた音が真面目に受け取れる形をしていなかった。そこがそのままネタとして残りました。同じ構造で語になったのが『ドラゴンクエストV』のぬわーーっっ!!で、あちらは主人公の父の断末魔です。断末魔が単体で有名になるゲームはこの2本が双璧で、Googleで「ぬわーーっっ」と打つとサジェストに「ウボァー」が並ぶくらいには、セットで記憶されています。

元ネタ・由来

『ファイナルファンタジーII』は1988年12月17日にスクウェアから発売されたファミコン用ソフトで、国内販売は約76万本とされます(Wikipedia)。その最終ボスが、大陸を支配するパラメキア皇帝です。

問題の場面は、その皇帝を倒したあとに流れるメッセージ。公式攻略本『FF 20thアニバーサリー アルティマニア File1』に載っている全文がこれです。

この私がやられるとは……信じられ……ん…… 2度までも……お前に……。 ……お前は…いった……い、な……にもの…… ウボァー

途中までは、負けた側の台詞としてまともです。信じられない、2度までも、お前は一体何者だ、と正気で喋っている。そこから急に「ウボァー」に落ちる。この落差が全部です。まともな文章の直後に意味のない音が置かれると、直前のシリアスまで巻き込んで面白くなる、という見本みたいな作りになっています。

なぜこの音なのかについて、開発側の説明として確定している記録は見当たりません。ゲームメディアのインサイドは、この断末魔を「ネタにされ続けている」と紹介したうえで、プレイヤーの間には血を吐きながら叫んでいる描写なのでは、という読み方があると触れています。あくまで推測として語られているもので、公式の裏付けはありません。

もうひとつよく検索されるのが皇帝の本名です。ゲーム本編に名前は出てこず、呼ばれ方は「パラメキア皇帝」だけ。マティウスという名前が出てくるのは、シナリオを担当した寺田憲史による小説『ファイナルファンタジーII 夢魔の迷宮』のみです。それが広まったのは後年の他作品経由で、『FFXII』の召喚獣マティウスの解説文がこの断末魔に言及していたり、『ディシディア ファイナルファンタジー』での皇帝の最強武器が「マティウスの悪意」だったりと、公式側が拾い続けた結果として定着しました。

版によって表記も見え方も違う

ここは検索でもよく引っかかる話です。同じ「ウボァー」でも、遊んだ版によって画面での見え方が変わります。

出典はFF用語辞典Wiki*です。ファミコン版は行数に余裕があったので、最後の「ウボァー」が画面の左下に置かれたまま止まります。この「置き去りにされた4文字を見せられる時間」が長かったことが、記憶への刺さり方に効いていた可能性はあります。PS版はウィンドウが1行狭くなったせいで、同じ台詞が流れて消えるようになりました。

GBA版では隠しラスボスとして「善の皇帝」が追加されているのですが、こちらを倒したときの断末魔も「ウボァー」です。善のほうも同じ声で終わる。

音声が付いたのは意外と遅く、2003年の『半熟英雄対3D』が最初です。しかもFF2本編ではなく、スクウェア・エニックスの別シリーズでの登場でした。この作品で3D大元帥を演じたのが若本規夫で、あの声で「ウボァー」が発せられたことになります。FFシリーズ側でこの音を聞けるようになったのは2008年のPSP『ディシディア ファイナルファンタジー』からで、KO時のボイスとして採用されました(皇帝役は堀内賢雄)。FF2の発売から数えて20年後です。

英語版では「Ungaahhhh!」、言語ごとに叫び声が違う

海外版の話も検索されます。GBA版・PSP版の英語表示では、この断末魔は「Ungaahhhh!」に差し替えられているとされます(FF用語辞典Wiki*)。カタカナにすると「ウンガァァァー」です。『ディシディア ファイナルファンタジー ユニバーサルチューニング』の英語ボイスでも同じ音が使われています。

ややこしいのは、多言語対応したピクセルリマスター版だと英語の表記がまた変わることです。言語を切り替えて全部並べた攻略サイトGCGXによると、英語は「Uraaahhh!」で、「Ungaahhhh!」のほうはフランス語に回っています。ドイツ語は「Huaaarghhh!」、イタリア語は「Aaaaaargh!」。同じ場面なのに、言語ごとに違う叫び声が用意されているわけです。

どれも翻訳としては妥当なのですが、日本語の「ウボァー」が持っていた濁音の潰れ方は再現されていません。海外のFF2プレイヤーの間で断末魔がネタとして独立していないのは、たぶんここが理由です。ちなみに韓国語版だけは「우보아-!」と音をそのまま移しているとされます(ファンwikiの記述で、他の裏付けは取れていません)。

『ゆめにっき』の「ウボァ」は長音が1つ足りない

「ウボァ」で検索すると、FF2ではなく別のゲームの話が混ざって出てきます。フリーゲーム『ゆめにっき』に出てくる、同じ名前のキャラクターです。

『ゆめにっき』側の仕様も、混同されるだけの理由があります。Ver.0.08で追加されたマップ「浅瀬」のポニ子の部屋で電気のスイッチを消すと、64分の1の確率で姿がウボァに変わる。ならなければ一度外に出れば乱数がリセットされるので、粘れば見られます。そのうえで触ると、脱出できない世界に飛ばされます(ニコニコ大百科)。

整理すると、FF2の断末魔が2ちゃんねるの1つの書き込みを経て別ゲームのキャラクター名になり、本家と紛らわしいという理由で長音が削られた、という流れです。書き込みがそのまま語として独立していく型はぬるぽと同じで、あちらもスレッドの1レスから始まって20年以上使われ続けています。

なお、「ウボァー」の顔文字を探して来る人も多いのですが、これという定番の顔文字は見つけられませんでした。半角の「ウボァー」で書かれることが多い、という話が事実として確認できるところです。AAのほうなら、先に挙げたFF用語辞典Wiki*のページに皇帝の顔を描いた大きめのものが載っています。

使い方・例文

やられた側の一言なので、説明も理由も要りません。潰れた声だけ出しておけば伝わります。

  • 「レポート提出、締切が今日の23時59分だった。ウボァー」
  • 「セール見に行ったら欲しかったやつだけ売り切れ。ウボァー」
  • 「バイト先で名札つけたまま帰ってた。ウボァー」
  • 「充電100%のつもりが充電器刺さってなかった。ウボァー」

ぬわーーっっ!!との使い分けは、被害の重さです。あちらは取り返しがつかない負けに使う語なので、軽い失敗に当てると重すぎる。ウボァーは元ネタが悪役の最期なので、自分の落ち度でやられた場面でも変な後味が残りません。自業自得のときはウボァー、理不尽に押し切られたときはぬわーーっっ、くらいの感覚で問題ないと思います。

検索窓に「ウボァー」と打つと『学園ハンサム』が並んで出てきます。同作でも「ウボァー」は名台詞のひとつに数えられていて、ネット上では早乙女拓也の台詞として紹介されることが多いのですが、公式資料での裏付けは取れませんでした。同作はサークル「チーム欲求腐満」が2010年8月29日にリリースした作品で、2016年10月から5分枠の全12話でアニメ化されています。

関連する言葉

同じ断末魔型ではひでぶが最大手です。『北斗の拳』でハート様が上げる悲鳴で、意味を持たない音という点も共通しています。違いは立場で、ひでぶはやられ役の退場音、ウボァーはラスボスの退場音。それでも同じくらい間抜けに聞こえるのが面白いところです。

やられた側の表明という役割ならグエー死んだンゴが近く、こちらは自分の負けを笑いに変えるための言葉です。叫び声を体系として整理してしまった例がイヤーッ!グワーッ!で、傷の深さごとに叫ぶ語が決まっています。作者が響きから作った文字がそのまま独立したという点ではズキュウウウンも同じ系列で、あちらは効果音、こちらは断末魔という違いだけです。

ゲーム内のメッセージが語になった型としてはへんじがない。ただのしかばねのようだ。があります。あちらは何も起きなかったことを伝える文章で、ウボァーは全部が終わったことを伝える音。どちらもプレイヤーが数え切れないほど読まされたテキストです。

FF発の言葉ではテュポーン先生も辞典に入っています。こちらは『FF6』のモンスターで、劇中でオルトロスに「大先生」と呼ばれたことから愛称が定着しました。FF2の皇帝と違って、こちらは倒されてもプレイヤーのほうが吹き飛ばされて終わります。

グッズの話だと、スクウェア・エニックスが2027年1月29日に出すFFのブラウン管テレビ型トイ「Mini Melody TV」にFF2も1台入っていて、スイッチを入れると名曲が流れます。断末魔は流れません。ネットミームを札にしたミームかるたのほうは、2ちゃんねる時代の語から最近のアニメまで49問を収録したブラウザゲームで、この手の一言が並んでいます。

広告